AI(Gemini API)にゲームマスターをやらせる、という設計の話
「絶対に帰れないオフィス」の核となっているのは、Gemini APIにゲームマスター(GM)役をやらせる、という設計です。この記事では、なぜこの形にしたのか、実装する中でどんな工夫をしたのかを書いておきます。
選択肢方式ではなく、自由記述にした理由
一番最初に決めたのは「選択肢は用意しない」ということでした。選択肢方式は実装も判定も簡単ですが、プレイヤーの行動が事前に用意された範囲に縛られてしまいます。今回作りたかったのは「プレイヤーがどんな行動を取っても、AIがその場で意味を汲み取って結果を返す」体験だったので、自由記述以外の選択肢はありませんでした。
判定のブレをどう抑えるか
自由記述をAIに判定させる一番の難しさは、「同じような入力でも、判定結果がブレる」ことです。これを完全になくすことはできませんが、ある程度の一貫性を持たせるために、判定基準や禁止事項をシステムプロンプト側にできるだけ具体的に書き込むようにしています。またAIの応答方式には「Default Dead方式」(明確に生存条件を満たさない限りは基本的に死亡判定側に倒す)という考え方を採用し、判定のブレ幅そのものを狭める工夫もしています。
想定外の入力への対策
自由記述を受け付ける以上、プレイヤーが正攻法ではなく、ゲームのルールそのものを崩そうとする入力(例えば、AIに直接指示を出して判定を操作しようとするような入力)を送ってくることも想定しておく必要があります。こうした入力に対しては、内容を検出した時点で固定の結果を返す仕組みを別途用意し、AIの判定に完全に委ねない部分も作っています。
攻略ルートを一本道にしない
判定AIを使う以上、決まった攻略法を一つだけ用意するのはもったいないと考え、正攻法のルートとは別に、プレイヤーが自力で気づかないと辿り着けない隠しルートもいくつか用意しました。これも、選択肢方式では作りにくい、自由記述ならではの要素だと思っています。
AIをゲームマスターとして使う設計は、まだ手探りの部分も多いですが、今後も改良を重ねていく予定です。