「理不尽なAI」というコンセプトに至った話
「絶対に帰れないオフィス」は、AIがプレイヤーの行動を判定する際、容赦なく理不尽な結末を下すことがあります。この記事では、なぜ「優しいAI」ではなく「理不尽なAI」にしたのか、その理由を書いておきます。
AIを使ったゲームというと、プレイヤーに寄り添って助けてくれる存在をイメージする人が多いかもしれません。ですが、それだと「AIが判定者である」という緊張感が薄れてしまうと感じました。プレイヤーがどんなに理屈を並べても、時にはあっさり切り捨てられる。その理不尽さこそが、このゲームの核だと考えました。
理不尽さを面白さに変えるために意識したのは、「悪意ではなく、ブラックユーモアとして成立させる」という一線です。単に不快なだけの理不尽さでは、遊んでもらえるコンテンツにはなりません。プレイヤーが「そう来るか」と笑えるような、少し突き放した距離感の表現を目指しました。
また、この理不尽さは完全にランダムなものではなく、一定のルールの上に成り立っています。無茶苦茶に見える判定の裏にも、AIなりの「筋」を通すようにすることで、プレイヤーが「次はこう言えば違う結果になるかもしれない」と考える余地を残しています。この駆け引きの部分が、単なる理不尽さの押し付けと、ゲームとしての理不尽さを分けるポイントだと思っています。
理不尽なAIというコンセプトは、作っていて一番悩ましい部分でもありますが、同時に一番このゲームらしさが出ている部分でもあります。